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2018-07-30

命を守る、憧れの職場で奮闘中!

医療の現場で働く。命に直結する仕事であるが故のシビアな世界に、妥協やミスは許されません。名倉若菜(なぐらわかな)さんは、浜松医科大学医学部附属病院で看護師として働いています。人命のために力を尽くすことが求められる現場を選んだきっかけ、仕事に対する思いをお聞きしました。

今回取材したひと「名倉若菜さん」
静岡県浜松市出身。浜松医科大学医学部看護学科卒業後、浜松医科大学医学部附属病院で看護師として働く。現在の所属は内科病棟。看護師1年目、新人として先輩から学ぶ毎日だそうです。

 

医療現場へのあこがれ、幼少期の思い出

名倉若菜さんが看護師を目指したきっかけは、幼少期までさかのぼります。まだ名倉さんが小さい頃、親御さんが病を患い、浜松医科大学医学部附属病院に入院されたそうです。辛く、悲しいものとして残るはずの記憶。しかし、当時対応にあたってくれた看護師さんや先生のおかげで、幼かった名倉さんは「辛い」と感じることがなかったといいます。
「病院という非日常と普段の日常の境をあまり感じなかったのってすごいことだと思って、それ以来憧れを持つようになりました。看護師になると最初から決めていたわけではなくて、最初はとにかく医療職に、という感じでした」
医療職の中でも看護師を選んだきっかけは大学時代。名倉さんが入学した看護学科はいわば看護師になるための学科。周りの学生の多くが「看護師になる!」という決意を持った人が多かったそうで、その熱い思いにも感化され、気持ちが固まっていきました。厳しい実習の中でも、診ていた患者さんからの「ありがとう」や「良い看護師になってね」という言葉に励まされたそうです。
「辛いこともあったんですけど、そういった言葉を聞くと、本当にやってよかったなと思います。特に印象に残っているのは、ご家族と笑顔で退院なされる患者さんの姿です。回復なされて、見送ったときに『看護師って素敵な仕事だな』と、改めて感じました」

 

患者さんのために、求められるのは技術や知識だけじゃない

名倉さんの所属する部署での仕事は、検温や骨髄穿刺による血液疾患の検査、服の着替えなど、患者さんのサポートが主になります。確実に業務を行うために午後1時に行うカンファレンスでは、スタッフ同士で情報共有をして、午後の検温に向かいます。勤務体系は2交代制、昼夜問わず病院には容態の急変などにも対応できるだけのスタッフが常駐するようになっているそうです。また浜松医科大学医学部附属病院では「PNS(partnership nursing system)」というシステムを採用しており、これは必ず2人1組(3人の場合も)で複数の患者を担当するというもの。お互いにサポートしあいながら、時にはパートナーと相談することによってミスを無くしていくシステムで、「私のような新人に仕事を教えるのにも役立っています」と名倉さん。膨大な知識と技術が求められる職場で、新たな一員となったスタッフが一人前になるための教育システムもしっかりと整っていました。

普段の仕事について聞くと、「治療や健康のためのサポートも大事ですが、他にも患者さんとの日常会話など、“日常”のサポートが本当に大事です。医療の知識や仕事を覚えることはもちろんですが、患者さんはそれぞれ病気と向き合われていて、特に血液内科は入院日数が他の科と比べて長くなりやすく、皆さん精神的に辛くなってしまうことが多いのです。この科に入った初日に師長に言われたのは、そういった心のケアの大切さでした。これも看護師の非常に大事な仕事なんです」と語ってくれました。

 

経験を積み重ねて、いつかは先輩みたいに

これからの目標についてお聞きすると「もっと患者さんに信頼される看護師になることです」と名倉さん。知識だけでなく、患者さんひとりひとり『その人』を見て仕事をすることが、看護師としても人としても信頼されるのには必要と考えられていました。行き詰まった時は先輩看護師の方々に相談するのだそうです。「本当に素晴らしい方ばかりで、いつも正確に答えに導いてくれるんです」。例えば何か失敗をしても怒るのではなく、しっかり“叱って”くれるという先輩方は、まさに目標とする理想像。「良い先輩に恵まれたなと日々感じています」そう語られる名倉さんの目は、厳しい医療の現場の中で輝いていました。

 

今回取材したひと「名倉若菜さん」
静岡県浜松市出身。浜松医科大学医学部看護学科卒業後、浜松医科大学医学部附属病院で看護師として働く。現在の所属は内科病棟。看護師1年目、新人として先輩から学ぶ毎日だそうです。

このページは、文部科学省「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」の採択を受けた「静大発”ふじのくに”創生プラン」の協賛により、掲載しております。

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