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2016-12-22

読売広告大賞協賛社賞受賞!|静岡文化芸術大学デザイン学部 大林百花さん・木之下紗也佳さん

2016年7月、静岡文化芸術大学デザイン学部4年生の大林百花さんと木之下紗也佳さんが、第32回読売広告大賞で協賛社賞を受賞しました。今回、二人が手がけた作品は「ビスコ」をテーマとした新聞広告です。ビスコらしい赤色や丸みを基調に、クロスワードパズルを用いてそのおいしさ・やさしさが楽しく表現されています。つい全部読んでしまう本作品は実は1日で生まれた!?

【取材・文/静岡大学人文社会科学部 石原亜咲美】

読売広告大賞

読売広告大賞は広告業界を目指す学生や若手の登竜門として、また活躍中のクリエイターが新聞広告の新たな表現方法を世に問う場として、1984年から続く一大コンテスト。

例年およそ1700件もの応募!グリコが選んだ期待の作品!

大林さんと木之下さんが受賞した協賛社賞は、読売広告大賞に協賛する企業から出された課題をもとに制作し、それぞれの協賛社が独自に選考する賞です。二人が読売広告大賞のコンペに応募しようと思ったきっかけは、「メディア産業論」というコピーや広告について学ぶ授業。三年次後期に受講し、その授業のアウトプットとして制作した作品をコンペに出すことになったそうです。

読売広告大賞のテーマはたくさんある中で、授業の課題として先生が指定したテーマは「甘酒」と「ビスコ」。二人にとってより身近に感じられたビスコをテーマに、アイデア・構成担当を大林さん、デザイン担当は木之下さんという役割分担で、約一か月間にわたる制作がスタートしました。

「はじめは、ビスコで『あいうえお作文』を作って広告にしようと思っていたんです。でも、ビスコの「ビ」を用いた「よろこび」を思いついた後、「ス」や「コ」を用いた良い語が浮かばなくて……」と大林百花さん。ビジュアルもなかなか思い浮かばず、「あいうえお作文」は断念することに。

「デザインはアイデアありき。」
試行錯誤の中から生まれた、クロスワードパズル

その後アイデア出しを重ねていく中で、「ビスコのいいところって意外とたくさんあるし使いたい言葉がたくさんある。これらをすべて盛り込んだ新聞広告をつくるには?」と考えた結果、ひらめいたのがクロスワードパズル。実は、これをひらめいたのが課題提出の前日。ビスコのホームページや自身の体験からクロスワードの語を書き出し、答えとなる「ビスコ」を引き出す質問文はシンプルでわかりやすくまとめ上げました。

《ずっとおいしい、ずっとやさしい。
80年つづくおいしくてやさしいクリームサンドビスケットは? 》

「質問文を考えていた際、メディア産業論の授業で学んだ言葉選びの大切さを実感しました」と木之下紗也佳さん。例えば授業では、「牛乳という語を聞いて思いつく言葉を一分間で書き出す」ということもあるそうで、アウトプットに重きを置いた大学の授業の面白さを再認識したそうです。

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前日のひらめきにより、徹夜での制作となった本作品は、クロスワードの中心に「ビスコ」を置き、全体の枠を赤くすることで新聞広告自体をビスコっぽく見立て、クロスワードの一語一語を読むだけで「ビスコの魅力」を再発見できる作品になっています。

静岡文化芸術大学は授業を通して様々なコンペに参加するなど、プロダクトデザイン性が強い大学です。その一つの成果としての読売広告大賞協賛社賞受賞を受けて、「デザインはアイデアありき。アイデアは容易に考え付くものではないけれど、面白いアイデアを考えたり、それが人を動かすデザインにつながると思うと楽しいし、大事にしていきたい」と教えてくれました〈了〉


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