知の地図をつくろう

学生主体のスポーツアカデミー〜静岡産業大学 磐田キャンパス キッズスクール

静岡県内大学生の活躍する姿を紹介する企画「學の肖像」。今回は、静岡産業大学で保育士やスポーツ保育の指導者を目指す学生たちが運営する「キッズスクール」の活動を取材してきました!



■いつも満員御礼!学生主体で運営する大人気キッズスクール

静岡産業大学経営学部のある磐田キャンパスでは、10年以上続く「キッズスクール」があります。保育士やスポーツ保育の指導者をめざす学生が中心となり、様々なスポーツ遊びを通して、学生教育・人材育成の場、そして子どもたちの成長に寄与することを目的に実施されています。月に1〜2回(夏期休暇を除く)、大学の体育館やグランドを開放して行われ、毎回100名近くの子どもたちが参加。

もともと、サッカーのB級指導者を目指す学生が子どもたちにサッカーを教えるスクールから始まった大学主催のスポーツアカデミー。6年ほど前に大学のスポーツ経営学科にスポーツ保育コースが新たに設置されたことを機に、子どもたちがスポーツ遊びを通して楽しく通えるようなスクールに変えようと現在の形になりました。

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今回お話を伺ったのは、4年前からキッズスクールの運営を大学と共に行うスポーツ保育サークル「すきゃもん」。週2回、定期ミーティングを行い、キッズスクール当日は受付からスポーツ遊びの運営・指導をしています。サークルリーダーの土井啓嗣さん(経営学部 スポーツ経営学科4年)によると、大学やキッズスクールで学んだスポーツ保育やスポーツ遊びが、保育実習の場でも活用できていると言います。

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そもそもスポーツ遊びとは、ただスポーツをするのではなく、スポーツの中で手先の器用さや、心の成長を目的とするものです。「スポーツ」と聞くと「競技」という捉え方をしがちですが、スポーツには競争だけでなく、協力、挑戦、成功、失敗といった5つの特性があります。この5つの特性を使った遊びがスポーツ遊び。そのため、あえて「遊び」を付けているそうです。

また、静岡産業大学のキッズスクールは、スポーツ保育を中心とした経営学や心理学を実践する場としてだけでなく、サッカー部や体操部、バレー部など多彩な運動部と連携して運営する点も産業大ならではです。そのため、年間およそ25回ほど行われるキッズスクールですが、その内容は、サッカー、バレー、テニス、トランポリンなど多岐にわたります。その子どもたちを飽きさせない多様さがキッズスクールの強みです。(※ バレーやテニスは競技ではなく、ボールを使った遊びです)

運動部との連携について、キッズスクールの担当であり、スポーツ保育サークル「すきゃもん」の顧問である山田悟史先生(静岡産業大学経営学部 准教授)は、「例えばサッカーの場合、指導者を目指す授業の講義の実習として行っているんです。普段は競技ベースで行うスクールを、キッズスクールでは“遊び”を中心に展開する。そうすることで、技術を教えるだけではない、楽しくサッカーをさせられような実習に活用してもらっています」と言います。

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▲「すきゃもん」顧問の山田悟史先生(静岡産業大学経営学部 准教授)

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さらに、キッズスクールは大学生自身の学びを実践する場だけでなく、子どもたちに学校とはまた異なるコミュニティを与えています。「極端な話、学校でいじめられたことのある子でも、キッズスクールに来て楽しければそれは一つの居場所になります。子どもたちにとって色々な居場所があることが、子どもたちの成長にとって大事なんです」と山田先生。

しかし、すぐに馴染める子どもたちばかりではありません。子どもたちから人気ナンバーワンの土井さんは、子どもたちの目線になって話すこと、そして親御さんから離れられなくても無理にやらせることは絶対にしないということを大事にしているそうです。離れられない子どもたちに対しては、無理をさせない範囲で「遊んでみない?」と声をかける。そうする内に、自分から歩み寄ってくれるようになるようです。

将来は保育士になりたいという土井さんによると、子どもたちと接することの面白さは、遊び自体に自分が考えてもいなかった工夫を加えることだそうです。例えば、マット運動で行ったカエル歩き。カエルは手をついてから足、手をついてから足……というようにして前へジャンプしながら進みます。それを真似する遊びなのですが、気付くと子どもたちはそれを後ろ向きにやってみたり、手足を同時に使ってジャンプしたり。どうしても一つの形に固執してしまうところを、子どもたちは関係なしに飛び越えて行く。その発想がとても面白く、土井さん自身も勉強になるそうです。

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▲サークルリーダーの土井啓嗣さん(経営学部 スポーツ経営学科4年)

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▲普段、子どもたちに教えているやり方を実践していただきました!

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▲子どもたちの安心を一番に考えているみなさんだからこそ、自然と子どもたちはスクールに慣れていきます。

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また、高校時代に行ったオープンキャンパスで、すきゃもんを知り、すきゃもんに入りたいがために静岡産業大学を受験した人もいます。その一人が、高井彩さん(静岡産業大学経営学部1年)です。もともと4歳から「一般体操」という競技とは異なる体操をやっており、身体を楽しく動かすという点にすきゃもんとの共通点を感じたそうです。

「まだアシスタントですが、入部後、キッズスクールを10回ほど経てみて、ただ楽しく遊んでいるだけじゃないんだなというのを実感しました」と高井さん。全員の子どもたちに目が行き届くようにアシスタントの配置を工夫したり、話しかける目線であったり、パッと見ではわからない随所に工夫が隠されているようです。

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▲高井彩さん(静岡産業大学経営学部1年)

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最後に、キッズスクールでの経験や疑問が、大学の授業の内容とかみ合う瞬間について聞いてみました。すると、「たくさんありすぎて!」と言う高井さん。例えば発達心理学の授業で、「キッズスクールであの子がこういう態度をとった背景にはこういう心理があったのか」という発見がたくさんあり、授業の内容もより深く、面白く学べているそうです。高井さんは今のところ、将来、保育士になりたいという気持ちはないそうですが、キッズスクールやすきゃもんでの経験を活かせるような仕事を見つけて行きたいと話してくれました。

スポーツ保育という学問だけでなく、運動部との連携が静岡産業大学のキッズスクールの特徴であり、強み。年中から小3まで合計100名近くの定員がHPでの広報のみで満員になってしまうのは、大学生と子どもたちのための細部まで工夫の行き届いたコミュニティだからだと感じます〈了〉

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