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活動の背景

わたしたちの言葉を持とう
~創刊10年によせて~

歴史ある大学社会にはそこでの学びを代表する出版物があります。
しかし、静岡の大学にはそういうものがずっとありませんでした。

わたしたちは、自身が静岡の大学で何を学び、その学びがこの広い世界の中でどのような意味を持ちうるのかを言葉にできていない。それはおそらく、あまり誇りにはできないことだと思います。

静岡の大学を代表する出版物がこれまでなかったのなら、自分たちでつくろうと考えました。

まずは手近な雑誌から。

学校も専門の垣根もこえて仲間たちをたどり、静岡のほうぼうの大学にちらばった、いまここで学べるわたしたちが本当に面白いと思えるものを集めてまとめよう。

2005年にはじめた活動は10年を超えました。

その間、大学内外の1000人をゆうに超える学生、研究者、先生方、市井のみなさんの協力を得て毎号毎号出版物を編むなかでわかったことは、どこへ出かけても常に思いがけない発見がある、静岡の大学社会の底なしの知の層の厚さでした。

たしかにここは東京でも京都でもパリでもない。
でもね、静岡は本物の高等教育の学びが存在するすばらしい場所です。その事実を静岡の大学でいま学んでいるすべての学生とたのしく共有して、高校生や次の世代にも伝えたい。
たぶん、いまよりもっと「静岡で学びたい」と考えるひとが増えると思います。

2016年4月 静岡時代編集部