知の地図をつくろう

美大卒じゃなくてもデザインを仕事にしたい!〜株式会社サンロフト 八木侑子さん

もともと絵を描くことが好きで、デザイナー志望だったという八木侑子さん。現在は幼稚園や保育園のIT化支援を行うパステル事業部で、『パステルIT新聞』(毎月発行)の取材・編集を行ったり、園の先生同士が交流し合う場づくりを行っています。
大学ではデザインを専門に学んできたわけではなかったという八木さんですが、現在はチラシデザインやプロモーションビデオの制作、企画・編集など、実にマルチな仕事をされています。そんな八木さんに、大学時代、サンロフト入社、現在のお仕事とこれからの展望を伺いました。

興味から実現へ。デザイナーを志した大学時代

 「学生時代は情報学部、さらには情報科学科という情報学部の中でも理系の学部だったので、デザインを専門に学んでいたわけではありませんでした。大学ではプログラム言語やアルゴリズムを学んでいましたね。その中でも、「ある意味、これがきっかけだったかな?」と思うのは、「Webデザイン論」という授業です。グループに分かれて、テーマを決めてサイトをつくるんです。それがとにかく楽しかった。「ITとデザインを掛け合わせた仕事をしたい」と思うようになりましたね」

サンロフトを知ったのは、学内で行われた合同企業ガイダンス。情報学部生対象のガイダンスに参加される企業の多くがプログラマーやSE志望者を求める中で、サンロフトの「Webサイト制作」という事業内容に目が留まったそうです。

「それまでいろんな企業を調べていたときに、やはりデザインという分野では美大卒といった条件があったのですが、サンロフトは「コンテンツをつくることに興味があれば大丈夫」と言ってくれたんです。実際に会社訪問をしていく中で、会社の雰囲気もいいし、社長も面白い。それが最初の動機ですね」

2010年に静岡大学情報学部を卒業し、そのまま大学院へ進学。デザイナーを志すことを決めてから、独自にイラストレータの勉強をしたり、PCで絵を描いてみたり、「とにかく独学で勉強した」という八木さん。所属していた研究室でも、Webサイトを制作する際にデザインを担当し、論文テーマも情報の組み立て方(デザイン)についてだったそう。

「簡単に言うと、動物園の来場者の行動を促すようなツールをつくる、といったものなんですが、そのツールというのは紙もあれば動画も考えられます。実際に動物園に行って、いろいろな見せ方をしたツールによって親子がどう会話をするか、どんな言葉が出てくるかを検証するんです。つくったものは就活でも自己PRに持っていきました」

園のIT支援、そして地方創生に取り組むIT企業

『パステルIT新聞』は幼稚園や保育園の先生方が読むIT専門紙。事務や創作に活かせるIT活用法や、園を対象とした商品・サービスを生み出す企業の舞台裏など内容は実に豊富。現在は営業2名、編集3名の5名という少数精鋭体制。記事の取材には園業務に活用できる商品・サービスを紹介するものもあるそうです。

社会問題になっている保育者不足や子育て支援に役立ててもらおうと商品開発している企業はたくさんあります。情報を広く得たい園とサービスを届けたい企業とをつなぐ役割が『パステルIT新聞』なのです。最近は、先生たちもより安心して働けて、子どもたちも過ごしやすい環境をつくっていこうと、研修会やイベントを行う事務局の運営も園の先生方と協力して行っているそう。

そして、Webサイト制作とシステム開発を大きな柱として展開するサンロフトが、園のIT化支援の他にも最近力を入れていることが「地方創生の事業」です。そのきっかけとなったものが、2014年に焼津で初めて開いた「IT経営フォーラム2014 in 焼津」。

「やはり焼津で創立した会社ということもあって、焼津をITの力でもっと元気にしたいという想いがありました。東京に比べて地方はどうしてもITの波が遅れて入ってきがちですから。一見難しそうなITの技術を親しみやすい形で伝えることによって、地方の企業の皆さんにも時流に乗った仕事の方法を提供しようとやってきました」

今年からは焼津市の地方創生事業として産学官連携でやっていこうと企画を立てているそうで、Wi-Fiの整備やテレビ会議などによって場所を選ばない仕事スタイル・空間をつくるなど、地域におけるITの活かし方を模索しています。「ITは一つのツールでしかないんですよね。それをいかに運用するか、使える場や仕組みづくりが大事で、そういうところに私たちはアイデアを出しています」と 企画・提案のベースとなる考え方を教えてくれました。

IT企業の考える人間力

デザイナー志望で入社した八木さんは、『パステルIT新聞』やチラシの制作をしているときが一番楽しいのだそう。しかし、これから先の仕事を考える上でだんだんと「仕事」の捉え方が変わってきたといいます。

「デザイナーとしてスキルを磨いてきましたが、今はクラウドワークスとか、安価でデザインをお願いできてしまう時代です。ただつくるだけでなく、企画というものが今後いかに重要かということをよく考えるようになりました」

そのきっかけをくれたのが、TSUTAYAグループを創設したCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)代表の増田宗昭さんの本。『知的資本論〜すべての企業がデザイナー集団になる未来』というもので、松田社長に教えていただいたものだそうだ。

「CCCは一言で言うと企画会社。代官山や湘南などにある蔦屋書店を運営しています。蔦屋書店は本屋さんですが、とても面白い空間づくりをしていて。ジャンルごとに書籍が集まっていて、例えば食であれば本の他にも食に関連した雑貨も売っているんですよ。店内にはスタバもあって、購入前の本を読むことができたり。気になるジャンルの空間に行くと、受動的にいろいろな情報や知識、気づきを得られる。本屋ではなくライフスタイルを提案しているところが面白いなって思ったんです」

デザイナーという立場でどのように仕事をしていくか。「企画の重要性が自分の中にしみこんできて、つくるということの前段階を大事にしたい、その上で企画の実施・運用まで考えられるようになりたい」と八木さん。「やはり、仕事のIT化・システム化が進む中で、そこに人間力が求められるというか、人間として仕事ができるところなのかなと思うんです」。IT企業の考える人間力、その言葉が印象的でした[了]

▽株式会社サンロフト:関連記事

松田敏孝社長・中村允哉さん(企画営業)・今井洋志さん(パステル事業部)のインタビュー

http://shizuokajidai.or.jp/2016/06/shizuoka_sunloft02/

鈴木あゆみさん(広報・マーケティング室室長)と『パステルIT新聞』誕生のお話

http://shizuokajidai.or.jp/2016/01/shizuoka_sunloft01/

株式会社サンロフト

「テクノロジーを親しみやすく」 を経営理念に掲げ、静岡のWebサイト企画・設計・デザイン・制作・運用、在庫管理・販売管理システム、ITサポートやパソコン講師の派遣などを行うIT企業。全国、1,000サイト以上の制作実績をもつ。

〒425-0092 静岡県焼津市越後島385
https://www.sunloft.co.jp/


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